伊藤氏貴著:「奇跡の教室」(エチ先生と銀の匙の子どもたち)

自分が記憶に残っている先生といえば、
小4~小6まで3年間同じ担任だった高橋先生だなあ。
自分をすごく認めてくれていて、
いつも居残りしてクラス全員分のテストの採点を手伝わされたりしてた。
今思うと、大問題だな、これ。
あと記憶に残ってることは、高橋先生は「自由ノート」っていう宿題を毎日出したこと。
自分の気になったことを何でもいいから調べるっていう。
これ、この本の主人公、橋本先生に近い教育方法だ。
中勘助の「銀の匙」という小説をじっくりと3年間に渡って読み込む、という一風変わった授業を、
灘高で50年に渡り繰り返してきた橋本先生の物語。
1週間で数ページずつ読み進め、
小説に書かれた内容をもとに、時に横道にそれながら、ひたすらじっくりと味わう味読、遅読。
速読が大事とか、読書は質より量とか、言われたりするけど、
この先生のアプローチは、「大物一点豪華主義」。
大物=本質がわかる大事な一冊ををじっくりと学ぶ姿勢だ。
この授業で養われるのは
きっと、難しいことを粘り強く理解しようとする姿勢だったり、
何事も興味をもって主体的に知ってみようという姿勢(好奇心)だったり。
物事を多面的に見る癖づくりだったり。
橋本先生の口癖は、
「すぐに役立つものは、すぐに役立たなくなる」。
つまり、表層的な知識を詰め込むんじゃなくて、
「新しいことを学ぼうという基本的な体質づくり」が狙いなんだろう。
そして橋本先生の教育方針は、「注入」より「抽出」。
あくまで生徒個々人の特徴や強みを引き出す、抽出する。
小学生のときはとにかく自然の中で遊ぶ!
そして中学生のときは、学ぼうという姿勢、体質づくりをする!
こういうことだ大事なんだろうと思う。

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