村田沙耶香著「コンビニ人間」

図らずも、平野啓一郎の分人の流れで、
同じような考えを巡らすきっかけになった。
普通とは?居場所とは?
人間は、その人が、自分の居場所だと感じる
その組織や集団において、
その環境の文化や習慣に「感染」し、
人格や容姿や振る舞い、そして価値観が形成され、
それが、その人のパーソナリティとなる。
人は、そこで形成された価値観において
合理的な判断を下す。
それが、そのひとの普通となり、
引き続き、同じものに感染され、異物を嫌う。
その人の居場所はどこなのか?
そこでどんな価値観が形成されているのか?
という視点で人をみることで、
他人(自分の中では、例えば部下)の理解が進むし、
コミュニケーションも取りやすくなる。
何を大事にするか、次第で、
人の行動は全て合理的のものとなる。
合理的論理的な判断ができない、
と否定するのではなく、
その人の価値観が理解できていないだけなのだ、
そう考えてみる。
人は複数の組織において、
その場所ごとに「無意識」に仮面を被って生きている。
まさに文人。
コンビニ店員に優しく。
「普通」であることが普通である、
と思っている人たち(自分を含めて)
普通ってなに?落ちこぼれってなに?
ありのままでよくない?
でもそれではいきづらい(生きていけない)世の中。
自分も周囲の目や期待に応える生き方をしてきた。
無意識に枠からはみ出さない生き方。
便利な存在。
だからこそ、代替可能な存在だよ、と自分に警笛を鳴らす。

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