安宅和人著「シン・ニホン」

誰がこの国の未来のボールを持っているのか?
野党議員の無責任なチャチャ入れ発言を聞くと本当に胸糞悪い。

さて、

「この国はスクラップ&ビルドでのし上がってきた。今度も立ち上がれる」
このシン・ゴジラの名言同様、勇気をもらえる一冊。

著者くらいの実績と実力があれば、海外でバリバリ働くという選択肢もあろうに、日本を見捨てず、全身全霊を賭けて書き上げたであろう熱意と覚悟に、読んでいて熱くなった。

胸アツポイントは、
この国の進むべき道を、部分的でなく全体感で網羅していて、そして、前提や常識を必ず疑ってファクトベースで考察し、全てにおいて結論を導き出している点。

今までダメダメなのだから、伸びしろしかない。
でも、日本が立ち上がるためには今がラストチャンスだ、という勇気をもらえる。

一方で、
人口減るから経済縮小、年金ももたない、どうすんの。(以上、思考停止)
教育方針が古いまま。グローバルで米中の土俵に上がれていない。どうすんの。(以下、思考停止)
ここで思考停止するのが自分なのだが、少しでも考えを紡いで自分なりの結論を出さないと!と焦る。

 

前作「イシューからはじめよ」が出版されたのが震災直前。
この著書が出版されたのが2月20日。期せずして、コロナショックの今。それを予知していたかのように、新しい国作り、人作りの提言が用意されている。

使わない手はない。

 

■キーワード

・データ×AI、日本の残る勝ち筋はAI-Ready化

・未来=夢×技術×デザイン

・既存ルール下での規模ではなく、妄想が富を生む時代

・求められる人材は、異人

・知性の核心は知覚。しかし、経験して理解していないものは知覚できない。

・未来に賭けるためのリソース配分。社会保障費のほんの少しを未来に投資すればよい

・人口減少は適正人口の過渡期

・日本の生産性向上は伸びしろしかない。経済成長は出来る

・従来の課題解決と、ビジョン設定型課題解決のアプローチは異なる

・ブレードランナーと風の谷