メイソン・カリー著「天才たちの日課」

在宅勤務も1か月が経過し、ずいぶんとリズム良く生活が出来るようになってきた。一定のリズムがあったほうが心の充足度レベルがあがることを実感している。

朝は6時半~7時の間に起き、パンとコーヒーと果物で簡単に朝食を摂る。こうやって書くと村上春樹のようだ。
そして8時にはデスクに向かい、メールの返信にはじまり、午前中は考える仕事を多めにして、午後はオンライン会議とデスクワークが中心。そして19時には仕事を終え、夕食。夕食後は本を読んだり、ゆっくりテレビを観たりして、23時頃に就寝。

「天才たちの日課」は、過去の偉人たちの日常(世に出した偉業の背景にある普段の生活)を描いている。奇抜な作品を世に出した芸術家ほど、普段の生活リズムは一定で、質素だったりする。興味深い。

日常のリズムが一定であることの効用は3つあると感じた

①日常に頭を使わないほど、頭を使うべきことに集中できる
着る服を毎日迷う時間が無駄だと思い、いつもタートルセーターとジーンズ姿のスティーブジョブスの話が有名だ。日常生活を徹底的にルーティン化し、無意識に過ごせる時間を増やすことで、いざ思考力が求められる時間にそのパワーを集約させることができる。

②1日のメインイベントが分かり、気持ちのメリハリができる
日々の生活がルーティン化するほど、逆に生活にメリハリが出来る感覚が出てきた。食事、身支度、睡眠といった基本的な行動は定食でいうならご飯とみそ汁であり、常に一定。だからこそ、今日1日の「主食」は何なのか、をしっかり意識することが出来る。
1日はあっという間に過ぎる。1日でやれることも本当に限られている。だからこそ、仕事においても1日1イベントと決めて、何に一番集中すべきかをしっかり意識するほどその成果も高まると思う

③異変が分かる
生活がルーティン化するほど、体や精神状態のちょっとした変化に気づきやすくなる。同じようなことをイチローも言ってたかな。(イチローは今でも毎日カレーを食べてるのかな??)
昨日よりもトイレの回数が多いなとか、今日は昼間に眠くならないなとか、自分の体や心に向き合いやすくなる。
まあ、ずっと在宅でゆったりとしたリズムで生活できている恩恵でもあるが。

この本は、160人の偉人の日常が紹介されているが、その中で紹介されている日本人は村上春樹、一人だけ。村上春樹のルーティン生活は有名な話だ。

毎日、日の出前に起きて午前中で10ページ分を執筆し(調子が良くても10ページで止める)午後はランニングや水泳をして21時には就寝。これの繰り返し。

この本に書かれている村上春樹の言葉が印象的

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この習慣の唯一の欠点は人づきあいが悪くなることだけ。何度も人からの誘いを断っていると、人は気を悪くする。
しかし、自分の人生で欠かすことの出来ない関係は読者との関係だ。
読者は僕がどんなライフスタイルを選ぼうが気にしない。僕の新しい作品が前の作品より良くなっている限りは。だったらそれが僕にとって最も優先すべき課題だろう。
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