藤井保文著「アフターデジタル2~UXと自由~」

DXという言葉について、とても思考の整理ができる本だと思う。

とかく表層的な手段とみられやすい「DX」の本質を理解することができ、さらにビジネスの世界だけでなく、アフターデジタルの社会のあり方にまで言及している。簡単に要約をまとめることが出来ない。

まずもって理解すべきは、「DXとは、UXを進化させること」である。UXの議論なきDXは存在しない。

デジタル化で行動データ獲得が高度化し、企業の競争原理が商品価値から体験価値へと移行しはじめている。すなわち、いかに顧客接点を良好に保ってUXで優位性を出すかが勝負になっている。

すべてはUXから企画する。そこに企業側の論理やセクショナリズムや提供する商品の良しあしの議論は不要。

各企業がUXを磨き上げると、社会そのものがそのUXで構築されることになる、と企業側が自覚すべき。各企業がデータを悪用しないのは当然のこと、目先の利潤だけでなく、さらなるUXの進化に還元しユーザー側に返すことが、社会をよりよくすることに直結するのだ。