鹿毛康司著「『心』が分かるとモノが売れる」

買った野菜を腐らせてしまうと「もったいない」と感じ、お米に虫がつくのは「申し訳ない」と感じる・・・
(エステーの商品「米唐番」のデプスインタビューでのやりとり)

まさにこういう違いを見つけるのが、僕の大好物である。
ちょっとした感じ方の違いが、企画を考える大きなヒントになる。

人間は感情で判断する生き物だ。
脳のつくりがそうなっているから仕方ない。

理屈の損得勘定は自分を納得させる後付の論理でしかなくて、たいていは自分の判断は感覚的にはじめから決まっていることが多い。

しかも、人間の根源の動機は、見栄と嫉妬と失敗への恐怖で出来ているように思う。

だからこそ、この本の中で鹿毛さんが書かれている「心のパンツを脱ぐ」「心のパンツを脱がせる」ことで、根っこにあるダークな心を見つけ、その心を動かすスイッチを見つけることが、企画を作るうえで大事なプロセスだと再確認できた。

あと、ありがたいフレームワークを頂いた。

マーケターがクリエーターと仕事をする上での「じくあし」

じ:自分勝手な期待を捨てる
く:クライテリアを忘れない
あ:愛情を込める
し:シンプル

目的と、あるべき姿をできるだけ具体的に伝え、あとは任せる。
クリエイティブが上がってきたら、その目的が達成できそうか、という一点だけで判断し、そのあとで、何も知らない一般人に成り代わって、フラットに心で見て判断する。