読書記:楠木健著「ストーリーとしての競争戦略」

ゴルフだってインパクトの一点に意識を集中するよりも、
テイクバックからフォロースルーまでをひとつの線の流れで捉えたほうが上手くいく。
どっちから来て、どっちに抜けるか。
どこから来て、どこへ向かうのか。
因果関係て結ばれた過去と未来のつながり=ストーリー、の大切さがとても良く分かって、発見の多い本だった。
「 戦略は動画である」。
これが一番のなるほどワード。
つまり、戦略を因果関係でつながった打ち手の流れ、動きとして捉えること。
ブルーオーシャンやら5Fやらswotやらのフレームにはめると戦略が静止画になりがち。
動画にしないと分からないことがある。
ただ、 動画にする=長期的に考える、ということではないようだ。あくまで、ダイナミックな打ち手の因果関係のつながりが大事。
いかに競争優位をつくるか。 2種類の競争優位OCとSPという分かりやすい整理。
OCとは組織能力、厨房、トヨタ、模倣の難しさ。
SPとはポジショニング、レシピ、BMW、何をやらないか。
そして競争優位の源泉にあるのは クリティカルコア=KSF。
長期的な利益を持続する戦略は、
一見して非合理。
だからライバルが真似しようという気にならない。模倣意欲の忌避。
しかし結果的には、
部分的非合理が一貫性ある全体合理に転化する。
例えばスタバのオペレーションは直営だからできること。
でも近視眼的な静止画でみると「直営=経済合理性でいけば、非合理」。
だがこれがあってこその全体合理になる。
つまり、→損して得とれ。
これこそストーリーとしての競争戦略の醍醐味だ、と筆者は語る。
逆にいうと、
「合理的な戦略では先行できない」。
これもなるほどワード。
※市場拡大期のパイの取り合いの場合は別にして。
■戦略ストーリーの骨法10カ条
~のうちの印象に残った4つ~
①エンディングから考える
戦略の目的はもちろん長期的利益の実現。
「~というわけで長期的に利益がでましたとさ」を考えること。
そこで考えるは2つ。競争優位とコンセプト。
競争優位→高く売る、コストを抑える、無競争状態にする、の3つしか方法はない。
そのためにどんな一貫性ある因果関係でつながった打ち手を作るか。
コンセプト→結局何を提供できるのか。誰が何になぜ喜ぶのか。
顧客が動くストーリーをとことんイメージする。
例えばスタバのコンセプトは第三の場所。
でもでも、この言葉だけで納得して終わりではなく、、、
強いプレッシャーの中でハイテンションで働くビジネスマン。まっすぐ家に帰ると家族がいていい顔しなければいけない。その間に少しでも落ち着ける時間が欲しい、、、とか。
②普通の人の「本性」を直視する
誰をどのように喜ばせるのかをはっきりイメージするために。
「今そこにある価値」をしっかり捉える。
強いコンセプトは表層的でなく、時代でかわるものでなく、人間の本性が欲することに着眼する。
③過去から未来を構想する
「ストーリーは将来の機会を見つめるためのレンズ」
ただ漠然と未来を見つめても何も見えない
「これまで」と「これから」をつなげて考える。従来の自分とのつながりのなかで考える。
④賢者の盲点を突く
賢者の目には非合理に映る打ち手でも、全体の戦略ストーリーは一貫性ある。を目指す。
合理性 では先行できない。
一般的に良いことと信じられている常識の逆を行く。

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