読書記:松田久一著「『嫌消費』世代の研究」

「クルマ買うなんてバカじゃないの?」
クルマを買ってもらうための、あの手この手を考える仕事をしているのに、上のコトバに強く共感する自分。。。
そんな装丁にひかれて、ざっくり読み。
収入に合った支出をしない、消費が嫌いという傾向が特に強いのが、
1980年前後に生まれた、現在20代後半の「バブル後世代」だそうだ。
会社にいるこの年代の後輩を見てても、まったく同感できないが。。。
分析は、この要因が
「この世代特有なのか」「いまのこの時代が要因なのか」「20代後半という年齢特有なのか」という検証。
で、成長期の外的社会環境の影響による「世代」特有の傾向とのこと。
この世代が消費嫌いな要因
つまり、金が無いから消費しないのではなく、金があっても消費しない訳は3つあって、世代的な要因と、この先の収入見通しの暗さ、そして不安感。。。先行き不安で金が貯蓄に回っている。
特「クルマ」「家電」「海外旅行」という3K消費が低下していて、特に「クルマ」「家電」がこの世代に不人気な理由が、この世代特有の「他社依存消費」にあるようだ。
つまり、他人が所有しているものを好み、回りの評価を気にして、さらに見せびらかしという効果も期待している、他社主体の消費。
クルマはまさにこういった顕示性の強い商品なので、クルマ自体の社会的存在意義がややネガティブ傾向にあるこの時代には、さらにこの世代に不人気になっている。
さらにクルマの「ランニングコスト」という存在が、先行き不安のあるこの世代にとっては、大きなネガティブ要因になっているようだ。
要は、クルマを買うということは、いろいろと面倒くさくて、精神的に負担のかかる行為なんだろうな。
トヨタの豊田彰男社長が、「若者のクルマ離れではなく、クルマが(クルマ会社が)若者かた離れていたことに気づいた」とおっしゃっていた。
イノベーティブで、安くて、シンプルなクルマが早く出てこないかなあ。

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