高崎卓馬著「表現の技術」

つくり方をつくる。

アイデアは天から降ってくるものでもないし、突然風呂でひらめくものでもないよね。
というわけで、アイデアを出すための自分なりの「カタ」「定石」を作り上げ、そして惜しげも無く披露している素敵な本。
クリエイティブの苦労を身にしみて感じている時だけに、方法論の部分だけでなく心構えの部分まで、ちょー刺さった。
いつもよい多めの自分メモ。
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感覚という幻想に甘えず、自分で開発したスキルを磨いてこそクリエイティブのプロ。
僕らはその時間と機会を与えられて生きている。

自分が構築したスキルを体系化して文章にするって素晴らしいね。
本当のプロフェッショナルだわあと思った。
著者が映画という新しい世界に飛び込むとき、自分が持つスキルを活かした方法論でアプローチを心がけた話が印象的。
「応用」っていう言葉にすると簡単だけど、自分が持っている「カタ」という基本があればCMも映画も、伝わる映像を作るという意味では同じなんだろうね。
心を動かす表現。
感情は振り子。感動して泣かせるにも、大笑いさせるにも、いかに感情を揺さぶるか。
感情の揺さぶりのために絶対に必要な要素は、「オドロキ」。人は泣く前笑う前に、必ず驚いている。
つまり、予定調和ではなく想像を裏切ってどうオドロかすか。
■時間軸を操作する。
起承転結の流れだと、あっと驚かせるための「結」のハードルが高くなる。なかなか難しい。
だったら結を最初に言ってしまうのも手。結論を先に見せて原因を知りたい欲求をつくる。
■空間で考える
登場人物が見えていない後ろを、観客は見ることが出来る。そこに奥深いストーリーをつくることができる。
■ズレが面白さになる。
置き換える。
■物語を説明しない。
物語を進められるのは登場人物だけ。作り手の都合が物語を進めると突然チープになる。
■オムニバス禁止令
同じようなシーンを繋いで見せ、言えた気分になる企画。これは企画の放棄。目指すべきは忘れられない映像。本当の経験を凌ぐ心の動き。
■観客を安心して不安にさせる
主人公にプチ不幸、ルールある葛藤で観客を安心して不安にさせる、対立こそ物語を豊かにする媚薬、空間で考える、ズレが面白さになる、関係で笑いをつくる
発想するスキル、心構え
・右脳と左脳のバランス。
・疑う力
・難しいほうを選べ。粘れ。他がやらない可能性が高いほうが、他と違うものになる。
・今このタイミングで言っても遅いからなあ。って思わず、言え。
・どうしたらプレゼンがうまくなる?うまくプレゼンする必要はない。面白い企画を考えれば良い。
・ポジティブ発想。商品を世の中の関係性との中でポジティブに捉えて発想する。
・世の中に存在する意味のある広告を。
・コンテをちゃん書く。文字コンテやレンポジで済ますな。詰めろ。

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