藻谷浩介/山崎亮著「藻谷浩介さん、経済成長がなければ僕たちは幸せになれないのでしょうか?」

高速道路は、どんどん延伸して日本中にくまなく張り巡らされるもの。
新幹線も、どんどん延伸して日本中にくまなく張り巡らせるもの。
川があれば橋がかかり、山があればトンネルが掘られる。
土地があればビルが建ち、自動車は5年に1度モデルチェンジをする。
僕が育った感覚でいうと、これが当たり前。
全くの当たり前の感覚として、いまだに体に染み付いている。
自分は社会人になって16年。
いまだに全然右肩上がりを体感していないけど、体に染み付いた「当たり前の幻想」がなかなか離れないわ。学歴、収入、地位、名誉。笑っちゃうくらいの固定観念が自分に絡み付いている。
さて、そんな中、
デフレの正体の藻谷さんと、同い年でしかも長久手出身、でも旬な人、山崎亮さんの対談収録本。
この本のテーマはタイトルそのまま、経済成長と幸せとの関係性。
ゆったりした時間を過ごしながら、近所のおばちゃんから野菜をもらうような休日。でもこれは全くGDPには影響しない。
一方、交通事故を起し、通院し、車を修理し、保険が支払われればそのいずれもがGDPを押し上げる。
幸せって何だっけ?
当たり前だけど幸せの基準は人それぞれであって、
金銭が指標の人もいれば、ゆったり流れる時間があってこそ幸せという人も居る。友達の数だ、という人もいるだろう。
まあそれは人ぞれぞれだし、その基準は一人にひとつってことも無いだろう。
お金の話だとしても、
経済成長著しい都会での生活も、経済成長が止まっている田舎での生活も、意外と可処分所得は同じだったりする。
みんな笑顔で暮らしているのは、田舎だったりする。
地方に行くと、ていうか愛知県内の中規模都市でも、
このあたりにそんな仕事があるのか?雇用があるのか?
と疑問になることがあるんだけど、みんな笑顔で生活してるもんなあ。。
社会って素晴らしい仕組みで出来てるなあ、って感心する。
それはいいとして、、
別に今までのベクトルの人生を諦めた訳じゃない。
でも本当に大切なものは何なのか?
尾崎豊的問いかけをこの歳にもなって自分に投げかけるのも恥ずかしい話だが、
あらためてじっくり考える最近だ。