コロナウイルスの対応でも注目された台湾の若きデジタル大臣、オードリー・タンが、クーリエ・ジャポンの取材で語った内容をまとめた一冊。
「自由」を表す英語は「Freedom」と「Liberty」がある。
Freedomは制限なく解放された状態。Libertyは束縛・抑圧された状態からつかみ取った自由という意味合いがある。
オードリー・タンは、さらにFreedomをポジティブ・フリーダムとネガティブ・フリーダムの2つに分けて考えていて、ネガティブ・フリーダムのほうは、個人がルールや常識から解放されて自由になること。ややLibertyのニュアンスに近い。
一方、ポジティブ・フリーダムは、自分だけでなく他の人も解放し、自由にしてあげること。
この本は、ポジティブ・フリーダムがテーマ。
誰かが決めた「正しさ」には、もう合わせなくていい。
表紙の帯に書かれた言葉がすべて。
しがらみと固定概念と既得権益と同調圧力の中で揉まれながら生きている日本人に対して強烈なメッセージを放っている。
家族、仕事、ジャンダー・・・あらゆることが変化し、その言葉の定義自体も形を変えている時代。既存の考え方に全く縛られる必要はない。
また、この本の中で一貫して「透明性」「フラットと「スピード感」が重要と語っていたことが印象に残った。