読書記:野村克也著「野村ノート」

野球は「間」のスポーツだと言うコトバが印象的だった。
とっさの判断力はもちろん求められるが、試合中にじっくり考えることができるという点で他の球技とは大きく異なる。
だからこそ相手の出方を予測し、意図をもってプレーする重要性が高まる。
よく思うが、野球中継が面白いかつまらないかは、試合の中身よりも解説者で決まると思う。
昔、野村克也が解説者時代のときは、それはそれは面白かった。
それ以外ではやはり落合や江川、牛島、それに元中日の上川誠二も深い解説をしてくれる。
彼らに共通するのはイニング、相手、打順、味方の守備陣など考えうるすべての条件を整理して配球なり打者心理の「仮説」を提示してくれるところだ。
さらに彼らはその仮説が実際に間違っていたとしても、それを恥じる必要がないことを知っている。
こういう考え方もありますよね、いろいろ考えたほうが野球って楽しいですよね、ということをわきまえている。
しかし頭の良くない解説者(そんな人がほとんどだが)は、根拠を見いだせないから仮説も提示できないし、精神論と個人的感想で適当に話すしかない。
テレビ局、野球機構は「解説者の育成」にもっと投資すべきだと思う。視聴率の何%が変わると思うし、野球界人気の底上げに少なからず寄与すると思う。
ドラゴンズ戦のラジオ中継でCBCが牛島、東海ラジオが鈴木孝政だったとしたら、リスナーがどっちを選ぶから明らかである。解説者本人ももっと努力すべきだ。(努力していて当然だが)

野村ノート
小学館
野村 克也
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