音部大輔著「マーケティングプロフェッショナルの視点」


音部さんは、言葉の定義を大切にされている方だ。
この方の話を聞いたり、本を読んだりすると、いつもそう感じる。

言葉の定義を大切にすることの意義は2つあると思っていて、

ひとつは、仕事は一人ではできないから、
チームとして、組織として、
言葉の定義がどれだけ「共通言語化」されているかが大事、だということ

右に敵がいる!と司令部が指示したのに
左を注視していては、すぐに敵に撃たれてしまう。

もうひとつは、言葉の定義をしっかり理解することは、
その言葉が持つ意味を深く、ときには分解してしっかりと理解する、と同義だということ。

言葉の定義を理解するとは論理的に思考することに他ならない。

 

この著書でも、言葉の定義、を発端にしてマーケティングの本質を語っている箇所が随所にあって、とても面白かった。

 

■■
例えば、強いブランドはなぜ大きな利益をもらたすか、をシンプルに説明した式。

商品とは、工場で作られたモノそのものの「製品」に、ブランド(生活者にとってこのブランドを手に入れる意味)を付与して商品になる。
つまり、商品=製品+ブランド、である。

一方、その商品につけられる価格は、
製品を作るための「原価」に企業の利益を上乗せしたものである。
つまり、価格=原価+利益、である。

そしてその商品を、生活者は、その「価格」で手に入れるわけだから、
商品=製品+ブランド

価格=原価+利益
すなわち、ブランド=利益、である。

■■
マーケティングとは、
市場創造である。市場創造とは、製品属性の順位を転換し、いい〇〇(exクルマ)、の定義を変えること、である。

■■
競合とは何か。
何も同じ製品カテゴリーの市場の中だけが競合ではない。
消費者が達成したい目的(ジョブ)のために投資できる資源(財布、胃袋、時間)の奪い合いが発生するものはすべて競合である。
カテゴリー競合ではなく、ベネフィット競合である。

つまり、
市場の中に競合がいるのではなく、競い合う競合がいる場、が市場である

ブランドとは、意味(その中でも重要なのが知覚認識)


ブランドの定義書は、最低限
「市場」「ターゲット」「ベネフィット」で定めてみよう


施策とは?活動とは?
その活動がある場合とない場合でどんな差が出るのか。
その差を最大化することが活動の目的である。
その目的を曖昧にせず、解釈の余地が広い言葉を使わずに考えてみよう。


強いとは?
強いとは、資源を多く持っていること。勝つ可能性の最大化。
強くなるとは、資源をたくさん手に入れること。(資源=時間、資金、ネットワークetc)
優秀とは、素早く資源をたくさん集められること
単位時間あたりの、得られる獲得経験値が高いこと
つまり、資源の交換効率が高い
その資源を短期間で最大限獲得できる人間が「優秀」とされる。

経験年数が少なくても、長い経験を短期間で得られれば成長が早い・強い
個人の力だけでなく、組織として知識収集、知識蓄積、知識流通、が上手くできればよい
組織は高効率のための係数となりえる


成長とは、
昨日できなかったことが、今日出来ること


知識運用のSECIモデル。

個人の暗黙知を他人と共有
それを表出して形式知化
その知見を既存の知識体系と結合化させ、
より発展させ、再度個人の内面に落としむ、
みたいなナレッジマネジメントの循環モデル


自分のマネージャーとしてのミッションは、
戦力のポートフォリオが安定的に確立され、
自律的な成長が続く組織環境を整えること


〇〇さん(偉い人の名前)が言ってるから!
という仕事の動機は一番危険。
その指示は、市場課題に対し論理的に説明がつくか?
論理的、合理的に判断しよう。忖度や感情に任せない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です