昨年から、「段戸川倶楽部」に参加している。
段戸川倶楽部について書いたエントリー→ 段戸川倶楽部の話その1
段戸川倶楽部とは、釣り人同士で監視しあってC&R区間を密漁から守っていこうね、放流や川の維持管理も出来るだけ手伝っていこうねという、「釣り人自身で良い川を作る」仕組みだ。
「良い川」の基準はいろいろあるけれど、釣り人にとっての良い川とは、間違いなく「魚が釣れる川」だ。
段戸川が目指す姿は、
「名古屋から1時間で、1日10匹釣れる川」になること。
春先の季節であれば、今でも1日頑張れば10匹釣れることもあると思うが、もっと安定的に釣れる川になるように、自分も協力していきたい。
さて、魚が増えるためにはどうしたらよいだろう。
魚が増えるためには、当然のことながら、魚の増加量が高まることと、減少量を抑えることの2つの方向性があるが、
C&R区間においては、おおまかに4つなると思う。
①放流量を増やすこと
②繁殖しやすい環境をつくること
③洪水、カワウ被害など自然減少を抑えること
④密漁を減らすこと
このうち、人間が直接的に打てる手段は①と④だ。
まず、①放流量を増やすためには、すなわち放流用の魚を購入する資金を増やすことであり、それは以下2つが考えられる。
・遊漁料収入を増やす
・寄付や協賛による収入を増やす
まず遊漁料収入を増やすには、たくさんの人に来てもらうことだ。
しかし、ここが渓流釣りの永遠のジレンマである。
渓流魚は人影に敏感であるため、釣り人が増えるほどその川は釣れなくなる。釣れなくなれば、釣り人はその川に足を運ばなくなる。
渓流釣りは、魚との戦いではなく、人との戦いでもある。
なかなか釣り人の立場からすれば、みんな来てねー!とは大声で言いずらいものだ。
だから、渓流釣りは「ほどよい人数が、ほどよく楽しめる」という持続可能な考え方が合っているように思う。
そのために取り組めることの1つは、段戸川を好きになってくれた一人の人が、飽きることなく長い期間楽しめる環境を作ること。その逆に一気に告知をして一気にたくさんの人が訪れる状態を作ってしまっては、その川を好きになってもらう定着率が下がってしまい、あまりよろしくない。
取り組みの2つめは、1本の川でたくさんの楽しめるポイントを作り、できるだけ釣り人が分散して楽しめる川にしていくこと。
この2つの取り組みは、まさに段戸川倶楽部の活動そのものであり、地道に活動していけば、より一層効果が出てくると思う。
他にも事務局の方々の精力的な活動で寄付や協賛の動きも拡がっているので放流量が増えていくことだろう。
そして一方の、④密漁を減らすことについては、段戸川倶楽部の会員が段戸川で釣りをすること自体が監視になるという考え方だ。
会員35名が仮に年間5回釣りをしたとして年間のべ175日の監視となる。会員の方々は私のような土日休みの会社員ばかりではなく、平日に釣りをする方もいらしゃるので、比較的まんべんなく監視の目が行き届いているのではないか。
もちろん、密漁は人目に付かない早朝に忍び込まれる可能性もあり、この釣り人監視システムが完璧なものとは言えない。
しかしながら、この段戸川倶楽部の存在や活動が、渓流釣り界隈で知られてくればくるほど、自然と密漁の抑止力にもなってくると思うので、活動を活発にすること自体も意味があることだと思う。
引き続き、段戸川倶楽部の活動が、魚の「増える」を増やす、「減る」を減らすに繋がっていくように、協力していきたい。