佐藤尚之著「ファンベース」


さとなおさんのマーケティング本は、必ず新書で出版されている。
「明日の広告」「明日のコミュニケーション」「明日のプランニング」、
そして今回のファンベースも。

理由があるのか知らないが、
これまでのシリーズで語られている内容は、
その時々の一過性のマーケティングトレンドではなく、
極めて普遍的な内容だ。

だから読む側としても新書がしっくりくる。

今回も、例に漏れず普遍的である。

 

■■ファンベースが必然な3つの理由

①ファンは売上の大半を支えるから

②人口減、高齢化、情報過多などの理由により新規客獲得が困難になっているから

③ファンは新たなファンを作ってくれるから

 

■■ファンベースのアプローチ
共感・愛着・信頼。
そして次のステップとしての、熱狂・無二・応援

例えば、総株主の99.5%が個人株主となったカゴメ。
自給自足な応援消費。これはめちゃ強い。

 

■■レタスクラブの法則
個人的には、これはなるほどなーと思った。

みんな自分の価値観や感度に自信がないから
口に出したいけど、出さないってこと、ある。

最近のレタスクラブがいい感じ、という報道が出たとたんに、
急にみんなが口コミのクチを開きだした。

いかに、「みんなそう思うよね」という状態を見せてあげられるか。
マスキャンペーンで露出するのも、その方法のひとつかもしれない。

口に出しやすくする仕掛けとして。

日高洋祐他著「MaaS~モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ~」


MaaSに対する理解が足りてなかった。誤解していた。

 

誤解その1、Mobilityという単語の定義

モビリティ=可動性、移動性。
自由に移動できる能力。
決して、乗り物、という意味ではない。

だから、マイカー保有から、シェアリングに大きく変化すること自体はMaaS一部の変化であり、それ自体はMaaSの本質ではない。

 

誤解その2、Maasはあくまで「手段」である

ここは誤解というか、理解が足りてなかった部分。

MaaSとは、複数の交通手段が情報面や支払い面でも統合され、より一層の移動の自由を手に入れること。

「移動の自由」という手段が革命的に変化するならば、その移動の先には「目的」側の産業こそ大変化する。

飲食やら、働く場所やら、不動産やら人が集まる施設やら、ほぼすべての産業に影響を及ぼす。

つまり、MaaSは移動産業の変革だと閉じて考えるのではなく、すべての産業を視野に入れた「Beyond Maas」の世界を思い描くべき。

その昔、明治村、リトルワールド、ビーチランドなど、名鉄の利用促進のために、路線の終着地に観光施設ができたように。

移動手段+目的がセットとなった変化を見なきゃいけないね。

車でしか行けないような山奥にオシャレなバーとかが出来て、気軽にお酒飲める世の中になると良いなー、とか、
そんなレベルでも、いろいろ新たなニーズや課題は出てきそう。

この感覚がようやく理解できた。

 

あと興味深かったのは、
MaaSの概念がはじめに台頭した国はフィンランド。
なぜなら自国に自動車産業や油田がないから。

つまり国民が費やす自動車購入コスト・保有コストが、海外に流れている。
それを食い止めるためにはMaaSを発展させれば自国にお金が落ちるから、という単純な作戦。要はマイカー社会からの脱却。

そういう意味では、東京とか、車保有のメリットが薄い地域では、フィンランドが目指す社会に近いところまで実現しちゃってるのでは。

ちょっと歩けば駅あるし、タクシーばかばか走ってるし(高いけど)、電車の待ち時間は気にならないレベルで本数多いし。

あとはこれら手段の経路情報や支払いが統合されれば、まさしくMaaSだが、情報はgoogleMapあるわけだし、支払いはほぼSuica使えるし、、、
東京ってMaaS社会じゃん!

そもそもタクシーって、利用する立場からすれば、自動運転だし!

 

一方で、日本の地方は別世界。
車依存度が高い。

思うのは、地方には、
「車しか移動手段がない」という制約上の依存度と、それがゆえに、「たった100mの隣の家に行くにも車を使う」という、精神的な依存度もあるように思う。

だから交通弱者の地方高齢者はほんと大変。

こうした地方の足の問題は、MaaS(移動手段の統合)以前の問題。

交通弱者対策の、自治体のコミュニティバスや乗合タクシーと言った行政サービスは税金負担の限界だし、本数にも限界あるから自動車同様の利便性は提供できていない。
マイカー配車を道路運送法改正で解禁するしかない。

 

こうした先進課題も多い日本は、MaaSという領域で考えれば、「希望の星」。

なぜなら、GAFAが個人データを制した。
中国は国家として鎖国しBATを生んだ。
一方で日本は呑気に構えていた。

だがこの移動データ領域は、まだ手付かず。
逆に、いまから育てられる。

国家レベルの行政主導が〇必だけど、自動車産業だけでない大きな社会変化を提示して、動いていくといいな。

吉原史郎著「実務でつかむ!ティール組織」


なかなか読めなかった「ティール組織」。
でも分厚い翻訳本を読むのは苦手なので、
この本を手にとる。
同じことが何度も書いてあって読みづらかったが、
中身はざっと理解。

■ティール組織とは、
社長やマネージャーが業務に介入することなく、
社員ひとりひとりが組織の目的実現に向けて進むことが出来る
仕組みや工夫に溢れている組織

狙いは、自律分散協調型組織(ティール組織)の実現
臓器に上下関係はない。どの臓器もそれぞれ独立した役割があり、
どの臓器も欠けたら正常に動かない人体のような。

「役職」から「役割」へ
結局はこれ。自分が一番共感する部分。

従来のマネージャーは、権限移譲することで、
マネジメント工数から解放され、
組織目的の実現にフォーカスできる。

マネージャーが居なくなる、のではない。
むしろ、全員がマネージャーになる。

ティール組織の2形態あって
・役職は残しながらも、権力が影響しにくい工夫がある形態
・役職自体が無い形態(ホラクラシー)

企業の状態によって、まずは段階的に。

■ティール組織実現の3ポイント

①目的・ビジョンの共有

②自主経営の仕組み
・情報の透明化
・意思決定プロセスの権限移譲
・人事プロセスの明確化

③個人としての全体性の発揮

 

(株)ネットプロテンションズの例が参考に。

一足飛びに新人事制度に行かず、
まずは役職を残し、次世代型組織の土台を作った。

そして新人事制度へ。
・マネージャー→カタリスト(媒介役)へ。
・情報・ヒト・カネの采配を最大限移譲。

この3要素を何もマネージャーが一人で背負う必要はなく、
それぞれの構成員に責任と役割として移譲した。

組織目的とのズレや問題が起きたときは、すぐに議論する。

役職を無くすことで、
出世という競争意識を排除し、
安心して自己成長にフォーカスできる。

 

以下、自分への一問一答。

■マネージャーはなぜ必要か?必要だったのか?
・組織目標への到達のために、統率の取れた組織行動をとるためには、
経営者からのトップダウン、階層型組織が合理的であった

■そもそもマネージャーって?
・方針を立て、実行し、管理する
・業務配分、クオリテイへの責任
・評価、予算管理、情報管理
・他部署との調整窓口

■なぜティール型組織が進んできたか?
・企業の成長と老化は紙一重。マネ陣は徐々に優秀ではなくなる
・時代の変化が激しく、年長者の判断が正しい、わけではなくなる
・企業は変化せねばならない。イノベーションは若い発想から起こる

■なぜ自分は役職から役割へ、の傾向に共感するのか?
・経験のある人、マネに選ばれた人の判断が正しい、という前提は危うい時代だから
・早い段階で若手にも組織目的に基づいた権限を与えることで、会社のビジョンへの共感、会社に対する帰属意識が強まる
・自分は従来型の、責任と権限を与えられ自ら判断するというスタイルが得意ではないから。
・自分なりのマネ像を作りたいと思ったとき、「役割」として動きたいと思うから

■うちの会社のビジョンとは?
??
・クライアントへの提供価値は?
・社会における存在価値は?
という観点で考えないと。